エドワード編 Stage3 スノーマウンテン・スプリント
1. ゴーストバトル
前編: エドワードは享楽主義のサミラを紹介されるが、やる気を出したエドワードはコース練習に集中したいという。
後編: エドワードはコーリーのゴーストを相手に練習するうち、自信が薄れてゆく。
サミラがクラッシャーなのは分かってた
原文
Samira: Edward, you are a fun loving soul like myself I gather?
Samira: I have a whole different style of driving to show you, that I know you'll enjoy.
Edward: That does sound good...
Edward: But I'm taking things a little more seriously now, so I need to practice. Maybe later?
Samira: Viv, have you corrupted him already?
Viv: I was sure you were the corruptive influence, Samira. Even you must agree, he needs to learn the track first?
現行訳
サミラ: エドワードは私みたいな楽しく愛しい魂の持ち主なんでしょ?
サミラ: 色んなドライビングテク、みせたいの。楽しんでくれるようにね。
エドワード: そりゃあいいね...
エドワード: でも今はちょっとマジメにやってるから、練習しないと。あとでもいいかな?
サミラ: ヴィヴ、もう彼をだめにしちゃったの?
ヴィヴ: サミラがクラッシャーなのは分かってた。でも、まずは彼にコースを理解してもらうのが先でしょ?
試訳
サミラ: ねえ、エドワードも私みたいに、楽しいことが大好きなタチでしょ?
サミラ: 私のドライビングスタイルは他と全然違うからね。あなたもきっと楽しんでくれると思うの。
エドワード: そりゃあいいね…
エドワード: でも今はちょっとマジメにやってるから、練習しないと。あとでもいいかな?
サミラ: ヴィヴ、この子ったら、もうあんたの悪い影響を受けてんじゃない?
ヴィヴ: 悪影響っていうなら、あなたからの方が大きくなるはずだけどね、サミラ。分かってくれると思うけど、まず彼はコースを覚えなきゃいけないでしょう?
「ヴィヴ、もう彼をだめにしちゃったの?」「サミラがクラッシャーなのは分かってた」はそれぞれ単体では致命的でない訳だと思います。しかし連続するやり取りとしてはどうでしょう。意味が繋がっていないように見えます。
"corrupted him already?" "you were the corruptive influence" とcorruptの続く会話なので、試訳では「悪い影響」「悪影響」と使う言葉を合わせています。その上で日本語の自然さを優先し、ヴィヴの台詞には原文にない比較級を加える改変をしました。
あんたはレイクサイド・ループでコーリーとレースしたけどオレじゃまだあんたにはかなわないとおもうんだが?
原文
Ada:If you are looking for someone to challenge then Corey is here. You should check out their Ghost.
Edward: You raced Corey at Lakeside Loop... Aren't they way too fast for me?
Ada: They've not really driven other tracks before, so they're still getting used to it here. You'll do great!
現行訳
エイダ: 挑戦する人を探しているなら、コーリーがいるよ。ゴーストで試して。
エドワード: あんたはレイクサイド・ループでコーリーとレースしたけどオレじゃまだあんたにはかなわないとおもうんだが?
エイダ: 彼らは他のコースであまり運転したことがないから、まだ不慣れなの。あなたなら大丈夫!
試訳
エイダ: 挑戦する相手を探してるなら、コーリーがいるよ。まずゴーストをチェックしてみたら?
エドワード: お前はあいつとレイクサイド・ループでレースしてたけどさ…あれはオレには速すぎないか?
エイダ: コーリーは他のコースをあまり走ったことがなくて、まだ不慣れなの。大丈夫、いい勝負できるよ!
致命的な誤訳というわけではないですが、急に早口でまくしたてるエドワードには違和感を覚えます。コーリー(のゴースト)を斡旋されているのにエイダとの実力差を強調するのも不自然です。
スパルタ練習から戻ったよ
原文
Viv: Back from your serious practice session I see, Edward. How did it go?
現行訳
ヴィヴ: スパルタ練習から戻ったよエドワード。どうだった?
試訳
ヴィヴ: スパルタ練習から戻ったみたいね、エドワード。どうだった?
「スパルタ練習」は良い表現だと思います。しかしエドワードでなくヴィヴが練習から戻ったように感じさせているのが惜しい。
2. スタイル
前編: ヴィヴはエドワードにサミラとのドライブを提案する。
後編: エドワードはサミラのスタイル・ドライビングに感動する。
イバは、才能があるって思ってるしムダにしないよう頑張らないと
原文
Edward: Thanks for taking me out, Samira. I really needed the break.
Edward: Ibba thinks I have talent, that I should work hard not to waste it.
Edward: I'm trying to learn as much as I can, but it just feels like too much at times.
現行訳
エドワード: サミラ、誘ってくれてありがとう。オレはガチで休まないとだったんだ。
エドワード: イバは、才能があるって思ってるしムダにしないよう頑張らないと。
エドワード: たくさん学ぼうとしてるけど、一回にやりすぎな気がして。
試訳
エドワード: 連れ出してくれてありがとう、サミラ。オレは息抜きしなきゃいけなかったんだな。
エドワード: イバはオレに才能があるとか、それをムダにしないよう頑張るべきとか思ってる。
エドワード: オレもできるだけ沢山覚えようとしてるけど、ちょっと多すぎって思う時もあるんだよ。
現行訳は主語を使いすぎないようにしたかったようにも推測できますが、結果的に意味の取れない文章になっています。
もし後半の "I should work hard not to waste it." をエドワード自身の感想であるように訳すにしても、「イバは才能があると思ってくれてるし、ムダにしないよう頑張らないと。」と読点の位置を調整するなどすれば遥かに自然だったろうと思います。
3. 決闘
前編: エドワードはコーリーに挑む。
後編: エドワードは思うままに走ることを改めてサミラに諭される。
準備OKかな…もちろんっ!速すぎて見えないよ!
原文
Corey: Ready to race?
Corey: I'm still getting to grips with this new track...
Corey: But I'm not going to hold back, so you shouldn't either!
Edward: I guess, I'm ready...
Edward: I mean, yeah! You won't know what hit you!
現行訳
コーリー: レースの準備OK?
コーリー: まだ新しいコースに慣れてる途中だけど。
コーリー: でも、僕は遠慮するつもりはないし、キミもだよ!
エドワード: 準備OKかな...
エドワード: もちろんっ!速すぎて見えないよ!
試訳
コーリー: レースの準備はできた?
コーリー: かく言う僕は、まだ新しいコースに慣れきってない…
コーリー: でも遠慮するつもりはないし、君も遠慮しなくていいよ!
エドワード: ああ、準備ね…
エドワード: もちろん、できてる!シュッと視界から消えてやるぜ!
最後のイディオムは好みの問題ですが、その前、「準備OKかな…」の直後に同じ人間が「もちろんっ!」と続けるのはいささか不自然です。
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