イバ編 Stage2 シティ・スカイリンク

1. タイムアタック

  • 前編: イバは地元民ジェイのアドバイスを理解しないままタイムトライアルに出る。

  • 後編: イバは高速コースでも全力を発揮できず苛立つ。

すべて最高速度

原文

Bautista: Here on the highway, it's all about top speed, so if you can't keep up you might as well go home now.

現行訳

バウティスタ: このハイウェイでは、すべて最高速度。追いつける自身がないのなら、すぐに帰ることだな。

試訳

バウティスタ: このハイウェイではトップスピードが全てだ。追いつけなければ、すぐ家に帰るがいいだろう。

英文読解の話を脇に置いても、このステージのテーマは、「最高速度を引き出すためには、最高速度以外の部分(コーナー処理と減速)が重要」……というものです。always/everywhere「常に/すべて」を使っていないことからも、all aboutを「~が全て」と訳すほうが妥当に思います。

あと、「自身がない」は誤字です。

僕の庭みたいなところだし

原文

Viv: You ready for a new challenge, then?

Ibba: Totally! This seems right up my alley...

Ibba: I've worked out how to handle my car, and this'll be the perfect place to really see what it can do.

Ibba: Plus, you know my motto, "Never lift off. Never slow down." I'll fit right in.

現行訳

ヴィヴ: 新しい挑戦への準備はできてる?

イバ: もちろんさ!僕の庭みたいなところだし

イバ: 僕の車にも慣れてきたし、実力を見るのにカンペキだよ。

イバ: それに、僕のモットーは「アクセルかけろ、遅くなるな」だし、ちょうどいいよ。

試訳

ヴィヴ: さあ、新コースだよ。準備できてる?

イバ: もちろん!見たところ僕にうってつけのコースだ…

イバ: 車の扱い方も覚えたし、こいつで何が出来るかを見極めるには最適の場所だよ。

イバ: それに、知ってるだろ、僕のモットーは「アクセルを離すな、スローダウンするな」だ。すぐに馴染むさ。

「僕の庭みたいなところだし」句読点が抜けているのと、イディオムの直訳がよくない方向に働いているように思います。具体的には、イバの知らないコースのはずなのに、まるで地元のドライバーであるかのような台詞だと誤解される可能性があります。

"right up my alley" の alley は確かに「庭、路地」ですが、"right up my alley" 自体が熟語として「興味や能力に適している」という意味を持ちます。

誤解を軽減するなら例えば以下のように、庭という表現を外すか、予断であることを強調するかするとよいのではないでしょうか。

  • (試訳での提案)見たところ僕にうってつけのコースだ…

  • 僕の性に合いそうなところだ…

  • 見るからに僕の庭のようなところだ…

アクセルかけろ、遅くなるな

原文

Ibba: Plus, you know my motto, "Never lift off. Never slow down." I'll fit right in.

現行訳

イバ: それに、僕のモットーは「アクセルかけろ、遅くなるな」だし、ちょうどいいよ。

試訳

イバ: それに、知ってるだろ。僕のモットーは「アクセルを離すな、スローダウンするな」だ。すぐに馴染むさ。

話していることは概ね通じるので好みの問題ですが、「Never ~, Never ~」と韻を踏んでいる事実は拾ってあげたいですね。

2. ゴーストバトル

  • 前編: イバはヴィヴからブレーキポイントを手前に取るようアドバイスを受ける。

  • 後編: イバはヴィヴのアドバイスの有効性を認めると、ジェイに挑む。(3レース目前編と同じ)

コーナーの前でブレーキをかけると、より良いラインを取り、素早く出られる

原文

Viv: You car's advantage is its acceleration... Braking before the corner will allow you to take a better line and maximize your exit speed.

Viv: You gotta slow fast, to go fast, you know?

現行訳

ヴィヴ: あなたの車の長所は加速力。コーナーの前でブレーキをかけると、より良いラインを取り、素早く出られる。

ヴィヴ: 速く走るには遅く、でしょ?

試訳

ヴィヴ: あなたの車は加速力にアドバンテージがあるよね…コーナーのより手前でブレーキを踏めば、より良いラインを通れて、コーナーの脱出速度は最大化するの。

ヴィヴ: 速く走るために、早く減速しろってこと…分かる?

私の試訳の格言めいた部分のセンスのなさはともかく、 "maximize your exit speed" コーナーの脱出速度(出口速度)に関する話はもう少しテクニカルタームらしく話していてもいいのではないかと思います。

3. 決闘

  • 前編: イバはヴィヴのアドバイスの有効性を認め、ジェイに挑む。

  • 後編: ジェイはイバの成長ぶりに驚く。

コーナーでスピードかかりすぎるんだよね

原文

Jay: You've taken to the track quickly... I'm impressed.

Jay: You still have much to learn about the balance of your car, but with time, I believe you will.

Ibba: I'm starting to get it... In a powerful car, sometimes you're just carrying too much speed into a corner.

Ibba: Heh, I guess Viv was right... "You gotta slow fast, to go fast."

現行訳

ジェイ: こんなにすぐにコースに慣れるとは...感激したよ。

ジェイ: あんたはまだ車のバランスに慣れないとだけど、時間あればすぐ慣れるさ。

イバ: 少しずつだけどね。時々パワフルな車だとコーナーでスピードかかりすぎるんだよね。

イバ: へっ、ヴィヴの言う通りだな...「速く走るには、遅くしないと」って。

試訳

ジェイ: こんなに早くコースをものにしていたとは…驚いたよ。

ジェイ: 車のバランスに関してはまだ向上の余地があるが、それも時間の問題だ。あんたならできるさ。

イバ: だんだん分かってきたよ…パワフルな車だと時々、スピードを出しすぎてコーナーに突っ込んじまうわけだ。

イバ: ふぅ、ヴィヴの言った通りだな…「速く走るために、早く減速しろ」か。

「コーナーでスピードかかりすぎる」がどういう状態を表すのか、よくわかりません。「前掛かり」の「かかり」ですかね。

ここの "carrying too much speed" と "into a corner." を普通に並べれば、「コーナー進入時にスピードが高すぎる」シチュエーションは容易に想像できると思います。

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